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クルマでいえばハンドルを左右に回す力や、タイヤを回転させる力がトルクにあたる。さて、この運転手が二人いるような状態では、ドライバーがハンドルを切ろうとしても、システム側が走行レーンをキープしようとするなど、まさに操作の主導権を巡ってのせめぎ合いが続くことになる。この両者の主導権争いを、その都度の走行状況を把握した上でうまく調整するのがトルクを使った制御システムだ。
たとえば、ドライバーが車線を変更したいと思ってハンドルを切る場合、そのトルクの強さから運転者支援システムはドライバーの意思を感知し、みずからの関与の度合いを弱めてドライバーのしたいようにさせる。具体的には、ハンドル操作に抵抗するシステム側のトルクが減り、ドライバーは自分の切りたい方向にハンドルを切ることができるのだ。その逆の例が、ドライバーがわき見運転をしていた場合などだ。この場合、ドライバーからハンドルにかかる力が抜ける。
つまり、ハンドルにかかるトルクが減ることになる。それを感知したシステム側がトルクを強め、今度はドライバーの意思に代わってハンドルをコントロールし始めるのだ。実際の運転は、このようなドライバーとシステムのやりとりの繰り返しである。さて、人とシステムの融合について説明をしてきたのだが、多くの読者の方々には疑問が生じているのではないだろうか。この仕掛けの最大のミソでもあるのだが、どうやってそれがドライバーの意思だとシステムが認識するかという点である。それは、車線維持装置をオンにしてホンダのインスパイアを試乗した際、車線変更のときに感じた疑問への答えでもある。
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石田氏もその一人だ。「レーダー・センサのようなものをクルマにつければ、事故はかならず減る。私は、クルマがもっと安全なものになってもらいたいし、そのようなクルマでは、機械(システム)が介入してくるということも理解してもらいたい。
でも、それがなかなか実現できないのは、ユーザーの方々にこのようなクルマのことをちゃんと理解してもらえてないからです。その理解が得られれば、クルマの世界がものすごく変わって、クルマがより安全なものとして捉えられます」彼は、多くのドライバーに運転者支援装置付きのクルマに実際に乗ってもらい、「こういうところは駄目だ」「こういうところは使える」「今のセンサの状況は、こうなのだ」といったことを考えて欲しいのだという。
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